交通事故による斜視

【交通事故の影響で左目が斜視に】

交通事故の影響で片目に斜視の症状が出てしまった、20歳男性のケースをご紹介させていただきます。

交通事故で右側の下顎骨と頭部に大きな損傷を受け、左目が斜視になってしまった患者さん。しびれなどの後遺症がないので事故後一カ月ほどで退院したそうです。
病院では「斜視が自然に治るかどうかわからない」と言われ経過を見ることに…。

ご来院時は左目が内側に寄り、ほぼ動かせない状態でした。当院では、斜視について治療方法は確立していませんが、私としては、何もしないで放置するよりも、何かしらの治療を受けたほうがよいと思っています。

治療の効果があれば一週間ほどで変化が出るので、まず、一週間、毎日通っていただき、その結果次第で治療を継続するかどうか、決めようというお話になりました。

【筋肉の過緊張と仮定し治療をスタート】

今回の斜視は、脳障害ではないという病院の診断から、当院では筋肉に問題があると考えました

事故の衝撃で眼球の周囲の筋肉が過緊張になり、眼球を内側へ引っ張っている(筋肉収縮が起きている)と仮定し、まず、眼球の周囲の筋肉にハイボルテージ療法を行い、目の周りと頭部を中心に手技(マッサージ)や鍼、お灸を使って筋肉の過緊張を緩和する治療を行いました。

今回のハイボルテージ療法では、先の細いペンタイプの導子を使い、スポットで電流を流しました。ハイボルテージは従来の電気療法と比べ、皮膚の下の筋肉組織など深部まで高電圧の電流が流れ、治療効果が行き渡ります。「高電圧」と聞くと躊躇してしまう方もいらっしゃると思いますが、安全な治療法で痛みもありません。

【1週間後、眼球が動かせるようになった】

一週間治療を続けると、ほぼ動かなかった眼球が正面を向くまで回復
しかし、眼球が正面から外側へは動かなかったため、さらに外側の筋肉にも問題があると考え、眼球の外側に、より強い電流を流し、同じく手技、鍼、お灸を使った治療を続けました。

【2週間後、運動療法が可能になるまで回復】

2週間治療を続けると、眼球は外側にも少しだけ動くようになり、運動療法ができるまで回復。そして、ご自分で行えるよう眼球運動を指導しました。今後は、ご本人にトレーニングを続けていただき、さらに回復を目指してもらいたいと思います。

【病院で経過を見る間、放置しない】

今回の治療を振り返って。

左目の眼球が動かせない状態を「0(ゼロ)」とすると、一週間後に少し動かせるようになったのは「1」です。機能改善におけるゼロと1は天地の差があります。1にするためには治療を開始するまでの経過時間も重要で、発症してから時間が経てば経つほど回復が難しくなります。

今回のケースは、長く放置せず、一か月後に治療を始めたことや、患者さんの年齢が若かったこと、遠方の患者さんでしたが毎日治療に通ってくださったことなど、条件がよかったのかもしれません。

大切なのは、どのようなケースであっても、病院で「様子を見ましょう」と言われた場合、その間放置しないことです。当院でなくても、お近くの整骨院などで積極的に治療を受けていただきたいのです。整骨院業界では機能回復、疼痛緩和に力を入れている治療院も多いので、家や職場から近いなど通いやすく、かつ、信頼できる整骨院を見つけることが重要です。

当院では症状に合わせた可能な限りの治療を行っています。
どのような不調でも一度、ご来院ください。

ツヅキはり・きゅう整骨院 
院長 続 友仁

※ちなみに、今回のように事故による斜視の治療は特殊なケースです。
治療方法が確立されているわけではないため、すべての方が当院の治療で改善するということではありませんので誤解のないよう記述しておきます。

 

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